もぬけるから

旧い私の記録

あたらしさとふるさと

北海道はみんな暑い暑いって言ってるけど涼しくて過ごしやすい。

去年はこんなに新鮮じゃなかったのに、何もかもが新しい。学年が新しくなっただけでこんなになるもん?freshmanじゃないのにな。

 

玄関を開けて感じる土の匂い。何気に一番心にくるかもな。

出かける前に庭をちょっと歩いてとんぼを捕まえようとしたり、作物の様子を見たり。

 

高校までに散々見てきた田んぼも懐かしくてたまらない。そもそも車移動がこの前の帰省ぶり。安心して眠れるの楽だな。

 

少し口やかましい親も優しいお兄ちゃんも少しずつ昔のままではいられない。

お兄ちゃんに暴言多分もう吐けないし吐かない。

 

高校や予備校はぱっと見あんまり変わってないけど、じわじわと誰かがいなくなっていたりして、知らない間に時が流れてると知る。

 

母校の前には知らない店ばかりが並んでいる。目の前にアイス屋さんなんかできちゃって、今の子たちはきっとこぞって集まるんだろな。

 

家は照明が変わったり天井が変わったりと、ちょこちょこ違う。

私のカラーボックス5個分くらいの絵本が全部紐でくくられてたのは結構悲しかった。

図書館から借りた本を布団の上に置いて、気ままに本を読む午後の時間はもう来ないんだな。

寝っ転がった私をカーテンを通した優しい陽の光がうたたねさせることは記憶のなかでおしまいか。

こうやってどんどん私のいた記憶が家から消えていくんだなあ。

高校の壁にある卒業生の名前の落書きとか、机に名前彫ったりしてた人の気持ちがほんの少しわかるかも。自分がいたことを残しておきたい気持ち。

この家のなかの私の跡はどれが一番最後まで消えないかしら。

 

変わっていくもののなかで変わらないものに安心して、今の話じゃなくて昔話をしてる。

私の体も心も、周りの人、ものも変わっていくのにな。

自分はどんどん変わりたいけど、周りのものは私が知っているままでいてほしいなんてね。

 

明日高校の部活の人に会うけど、「変わったね」って言われるかな。それとも「変わらないね」かな。

どっちであれちょっと複雑な気持ちになる、きっと。変わった自分は受け入れてもらえるかな、変わらない私は楽しませれるだろうか。

 

私はみんなに会って、なんて言おう。