もぬけるから

旧い私の記録

すごく素敵な演劇を観たあと、自分のなかで起きる反応がある。

演劇は観た後に目に見えるものは残らないのに、観るために目に見えるものが消えるから時々不安になる。けど最近は、その反応が残る形だ、と思うようにしている。

まあ、反応といっても、独りごつだけなんだけど。

だいたい私は一人で演劇を観に行く。別に一人じゃなくてもいいけど、思い立ったら観に行く時もあるし、そもそも日程調整が大変に思うから。一人観劇のいい点は、心おきなく独り言を言えるってこと。

「三月の5日間」を観たときなんてひどかったなあ。全部、芝居の中の喋り方に近くなるのだ。「〜みたいに思って、あ、みたいに、とかいっちゃって。で、」とか。

とにかく、ちょっと周りから見たらやばい奴なんだけど、声になるかならないかぐらいの音を口から発するのが楽しい。思いついたままに、劇の感想を言っていく。

言いながら、ああ、私は独り言が好きなんだなと思う。感情が強いとき、すぐ溢れてしまう。口からさらさら流れだす。心のダムがめちゃくちゃ小さい。言葉にしたら、落ち着く。

 

人様のエッセイが好きだ。

ツイッターも好きだけど、ブログとか長い文章はいい。人柄が出る気がする。優しい人はやさしい言葉に触れているような気がするし真面目な人は硬い文を書くだろう。どっちも好きだ。

ブログとかに載せてくれる文章を読むことで、その人の考えていることが知れることが一番嬉しい。きっと私と対話したところで聞けなかったようなことを、お話ししてくれる。この人はこんなことを考えていたんだ、わかるな、わからないな、素敵だな、と思って好きになっていく。知らない人より、知っている人のエッセイがいい。

 

自分含め、人が何を考えてるか、何が好きか、とても気になる。みんなの独り言が聞きたい。どうか、形に残してくれませんか。